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2020年度 IR情報

2020年度 決算公告
貸 借 対 照 表(令和3年3月31日現在)
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(1)事業の経過及びその成果
 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の流行が再拡大するなか、内需を中心に景気回復が一服。輸出は、中国向けを中心に増加基調が持続。一方、個人消費は、2度目の緊急事態宣言の解除後に持ち直し傾向にあったものの、今後の新型コロナウイルス感染症の動向如何では、再び消費活動の自粛が強まる状況にあります。
薬局・ドラッグストア業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の拡大を背景に、マスクや消毒用アルコールなどの感染予防商品、食料品や生活用品などの巣ごもり関連商品の需要が増加した一方、在宅ワーク・テレワークの推進といった生活スタイルの変化による化粧品需要の低迷、入国制限によるインバウンド需要の消失、マスクや手洗い、消毒薬使用の習慣化による風邪・インフルエンザ患者数の大幅減などが見られました。また、長期処方による処方箋枚数の減少、競合他社との出店競争や業界の垣根を越えた販売競争の激化、慢性的な薬剤師不足や物流費の高騰等に加え、継続的な価格競争の激化により、経営環境は依然厳しい状況が続いています。
このような環境の中、引続き当社は、加盟店舗数を大幅に拡大するとともに、チェーン基盤を活かした商品供給面での有利な条件獲得に尽力してまいりました。「健康サポート薬局」への関心が高い調剤専門薬局へのOTCを始めとする店頭品の品揃え、および売価提案の実施、加盟店の安定収入確保に貢献する独自商品の販売方法、販促物の提案などに注力しました。調剤業務を核とする加盟店に対しては、いち早い情報提供と有利な条件獲得に尽力しました。
ジョヴィ加盟店舗数は当事業年度335店舗増加、162店舗減少した結果、合計で173店舗増となり、当事業年度末現、昨年に引き続き過去最高を更新し3,785店舗となりました。また、当社の主力事業である受発注代行事業及び商品販売事業では、昨年に引き続き新型コロナウイルス感染症の流行に伴うインバウンド消費の減退により、一般医薬品・化粧品の前期比が大幅に後退し、厳しい結果となりました。一方で、医療用医薬品が大幅に増加したことから、供給高全体では過去最高の70,789百万円(前期比9.3%増)となりました。種類別の供給高及び前事業年度比較は下記のとおりであります。

供給高

以上の結果、売上高は医療用医薬品の供給高増加が継続したことにより、64,038百万円(前期比11.9%増)となりました。
売上総利益は医療用医薬品の供給高増加に伴い2,152百万円(前期比5.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、1,599百万円(前期比10.4%増)になりました。
この結果、利益面では営業利益553百万円(前期比5.8%減)、経常利益536百万円(前期比0.5%増)となりました。また、特別損失として転貸物件の違約金、固定資産除却損等を37百万円計上し、当期純利益は329百万円(前期比7.1%増)となりました。

(2)対処すべき課題
 ジョヴィチェーンを取り巻く社会環境について、まず国内経済については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大と、その後の社会環境が不透明であり、ワクチンの接種の遅れが経済回復の足枷になる恐れがあります。通常時でさえ、診療報酬改定に伴う薬価引下げ、報酬体系の大幅見直しにより、依然として予断を許さない状況が続くと思われたところに、新型コロナウイルス感染症による経済活動の縮小、オリンピック・パラリンピックの開催可否判断によっては、更なる景気後退も懸念されます。
当チェーンにおいても、大手ドラッグチェーンの処方箋対応強化、同業におけるM&Aによる規模拡大、行政等における薬局削減の方向性、更に後継者不足等による課題を抱えているところに、大きな影響が予想され、加盟店舗数の鈍化、コロナ禍で疲弊する加盟店の増加が懸念されます。だからこそ、地域包括ケアシステムにおいて地域住民にとって身近な存在となる、ジョヴィチェーンの加盟店への期待と役割が問われる局面になると思われます。
このような環境においてこそ、加盟店および株式会社ジョヴィが共に発展できる組織体の再編が急務となります。そのために「ジョヴィ10年ビジョン」における「めざすべき薬局」を具現化することを目的とする「モデル店事業」と従来からの「ボランタリー事業」の両輪で運営できるチェーン組織を引き続き、めざしてまいります。
それぞれの事業の基本方針は下記のとおりです。

① ボランタリー事業
加盟店が処方箋調剤を核として、地域のお客様の保健・衛生・医療・介護・美容に係わり、何でも相談できる「ファーストコンタクトの場」となれるように加盟店の事業支援を推進してまいります。その為にも加盟店がお客様とのコミュニケーションを大切にし、接客や相談応需にじっくりと時間を割ける環境構築に努めます。これらを効率的に実行するために「横の繋がり」を活用した情報の収集・提供に重点を置いてまいります。すなわちジョヴィボランタリー事業協同組合と連携しながら、店舗のサポートを店舗運営のプロである組合員様の助けも借りながらリテールサポートの提供を引き続き充実してまいります。
また、加盟店を対象に提供しているファーマ・アシスト養成プログラムを、非加盟店にも広くリーズナブルに提供し、薬剤師の知識を国民に還元できる環境整備に貢献致します。
更に、後継者問題についても、後継者のいない加盟店と、これから薬局経営を希望する経営者との縁を取り持つことで、後継者問題の解決と同時に、加盟店が減少する問題にも引き続き対応致します。

②モデル店事業
「ジョヴィ10年ビジョン」にある「あなたの街のおくすり屋さん」を具現化するためにモデル店事業を営むファーストコンタクト株式会社を設立し運営しております。昨年度は、後継者問題への対応として、株式取得により、新たに4店舗を開局しました。引き続き、店頭品・各種サービス機能の提供、チェーン本部システム等を利用したチェーンオペレーションに基づいた運営を行ってまいります。
また、このモデル店事業を通じて、ボランタリー事業と協働して、上述の後継者問題についての対応も引き続き行ってまいります。
以上

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