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2021年度 IR情報

2021年度 決算公告
貸 借 対 照 表(令和4年3月31日現在)
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(1)事業の経過及びその成果
 当事業年度におけるわが国経済は、前年度に引続き、新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言の発出や、まん延防止等重点措置の適用が繰り返されたものの、3回目のワクチン接種の推進、新規感染者数の全国的な減少、オミクロン株への置き代わりによる重症化率の低下などにより、一旦は経済活動や個人消費に持ち直しの兆しが見られました。しかしながら、新たに、エネルギー価格や原材料価格の高騰による物価高が懸念され、国内景気や企業収益については依然として先行き不透明な状況が続いております。
薬局 ・ドラッグストア業界におきましては、在宅医療や健康サポートなど、地域の健康を守るためにさらなる役割が薬局に求められるようになり、対応すべきサービスの幅も広がってきており、かかりつけ薬剤師をはじめとした、国が求める変化に対応できなければ生き残れない環境になりつつあります。処方箋調剤においては、令和3年4月には初めてとなる中間年での薬価改定、そして令和4年4月の通常の薬価改定と、毎年薬価改定が行われる状況となっています。また物販においては、外国人の入国制限継続によるインバウンド需要の消失や、在宅ワークの定着による化粧品等の需要低迷が続いているのに加え、コロナ特需の沈静化により、前年度以上に厳しい状況となっています。更に競合他社との出店競争や業界の垣根を越えた販売競争の激化、人手不足による人件費及び物流費の高騰等に加え、継続的な価格競争の激化により、経営環境は一層厳しいものとなっております。
このような環境の中、引き続き当社は、加盟店舗数を大幅に拡大するとともに、チェーン基盤を活かした商品供給面での有利な条件獲得に尽力してまいりました。「健康サポート薬局」への関心が高い調剤専門薬局へのOTCを始めとする店頭品の品揃え、および売価提案の実施、加盟店の安定収入確保に貢献する独自商品の販売方法、販促物の提案などに注力し、調剤業務を核とする加盟店に対して、いち早く情報提供と有利な条件獲得に尽力いたしました。
ジョヴィ加盟店舗数は当事業年度529店舗増加、160店舗減少した結果、合計で369店舗増となり、当事業年度末現在、昨年に引き続き過去最高を更新し4,154店舗となりました。また、当社の主力事業である受発注代行事業及び商品販売事業では、新型コロナウイルス感染症の全国的な新規感染者の減少から、衛生用品の前期比が大幅に後退し、厳しい結果となりました。一方で、医療用医薬品が大幅に増加したことから、供給高全体では過去最高の74,512百万円(前期比5.3%増)となりました。種類別の供給高及び前事業年度比較は下記のとおりであります。

供給高

以上の結果、売上高は加盟店舗数の増加に伴い医療用医薬品供給高が堅調に推移し、68,102百万円(前期比6.3%増)となりました。
売上総利益は医療用医薬品の好調に加え、これまでに注力してまいりました電力事業やシステム関連サービスが実を結び始めたことから、2,315百万円(前期比7.6%増)、販売費及び一般管理費は、1,524百万円(前期比4.7%減)となりました。
この結果、利益面では営業利益791百万円(前期比43.1%増)、経常利益759百万円(前期比41.6%増)、当期純利益は518百万円(前期比57.1%増)となりました。

(2)対処すべき課題
 国内経済においては、オミクロン株の流行による新型コロナウイルスの感染拡大は一旦収まりつつあるものの、その後の社会環境が不透明であり、ロシアのウクライナ侵攻による世界的な株価の下落が経済回復の足枷になる恐れがあります。通常時でさえ、診療報酬改定に伴う毎年の薬価改定、報酬体系の大幅見直しや、オンライン診療・処方箋薬の宅配の対応など、依然として予断を許さない状況が続いていることに加え、新型コロナウイルス感染症の再拡大の状況によっては、更なる景気後退も懸念されます。
更に、大手チェーンの処方箋対応強化、M&Aによる規模拡大、行政における薬局削減の方向性、更に後継者不足等による課題を抱える中、弱体化する薬局の増加も懸念されます。それゆえ、地域包括ケアシステム、地域連携薬局として、地域住民にとって身近な存在となる、ジョヴィチェーンの加盟店への期待と役割が問われる局面になると思われます。
このような環境においてこそ、加盟店および株式会社ジョヴィが共に発展できる組織体の再編が急務となります。そのために「ジョヴィ10年ビジョン」における「めざすべき薬局」を具現化することを目的とする「モデル店事業」と従来からの「ボランタリー事業」の両輪で運営できるチェーン組織を引き続き、目指してまいります。

それぞれの事業の基本方針は下記のとおりです。
① ボランタリー事業
加盟店が処方箋調剤を核として、地域のお客様の保健・衛生・医療・介護・美容に係わり、何でも相談できる「ファーストコンタクトの場」となれるように加盟店の事業支援を推進してまいります。その為にも加盟店がお客様とのコミュニケーションを大切にし、接客や相談応需にじっくりと時間を割ける環境構築に努めます。これらを効率的に実行するために「横の繋がり」を活用した情報の収集・提供に重点を置いてまいります。すなわちジョヴィ・ボランタリー事業協同組合と連携しながら、店舗のサポートを店舗運営のプロである組合員様の助けも借りながらリテールサポートの提供を引き続き充実してまいります。
また、加盟店を対象に提供しているファーマ・アシスト養成プログラムを、非加盟店にも広くリーズナブルに提供し、薬剤師の知識を国民に還元できる環境整備に貢献してまいります。
更に、後継者問題についても、後継者のいない加盟店と、これから薬局経営を希望する経営者との縁を取り持つことで、後継者問題の解決と同時に、加盟店が減少する問題にも引き続き対応してまいります。

②モデル店事業
「ジョヴィ10年ビジョン」にある「あなたの街のおくすり屋さん」を具現化するためにモデル店事業を営むファーストコンタクト株式会社を平成30年に設立し運営しております。引き続き、店頭品・各種サービス機能の提供、チェーン本部システム等を利用したチェーンオペレーションに基づいた運営を行ってまいります。
また、このモデル店事業を通じて、ボランタリー事業と協働して、上述の後継者問題についての対応も引き続き行ってまいります。
以上

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